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牧阿佐美バレエ団によるダンス・ヴァンティアンXは英米のモダンバレエ4作品を上演した豊かな公演でした。
バランシンの数ある作品から今回は「セレナーデ」と「チャイコフスキー・パ・ド・デゥ」を選びました。アメリカへ移住したバランシンがはじめて上演したという「セレナーデ」では片腕を上げるポーズから構成美が映える情景が始まります。草刈民代は映画「Shall We Dance?」のヒロインとして知られている踊り手です。伸びやかにテクニックを生かして踊る草刈と森田健太郎の演技が映えます。楽曲に合わせ作品が進むロマンティックな作品です。橘るみと菊地研による「チャイコフスキー・パ・ド・デゥ」では、チャイコフスキーの幻想的で精神性の高い楽曲に合わせて2人が踊ります。ロマンティックな作品ですが、清らかな作風の奥深さは、人間世界に普遍的な要素を描き、作家の幅の広さを感じます。
ショパンの恋を描いたW・ダラー(W.Dollar)による「コンスタンチア(Constantia)」は宝石のような逸品です。恋人であったG・サンド(G.Sand)と、想いを打ち明けることなかったコンスタンチアの間で揺れる主人公の気持ちが描かれます。アンタンフヤグ・デゥラガー(Altankhuyag
Dugarai)演じる主役に向かい、サンドを演じる吉岡まなみの女らしさ、想いの中の女を描く伊藤友季子の清らかさが対比的でした。
アシュトンの「誕生日の贈り物」は燭台がともる中で踊る踊り手達の世界です。英国らしい美意識に溢れた作品で、男女のバリエーションを通じてバレエへの夢があふれる作品でした。
いずれもセンスが良い作品のセレクションでバレエ作品の豊かさを観客に伝えた公演でした。第10回目になるこの企画で、今回上演された作品は、次第に記憶の中になりつつある20世紀の古典を感じました。現在、日本社会ではバレエが次第に一般的にポピュラーになりつつあります。このような欧米の名作を高い水準で上演する事は、裾野が広がりつつある日本のバレエファンに取っても実際に作品と触れ合う良い機会になるように思います。
また、日本のモダンバレエの不振が近年語られますが、オリジナルな才能が出てきてほしいということも感じました。
芸術性 ★★★★★
娯楽性 ★★★★★
斬新さ ★★★
癒し度 ★★★★
(Updated on 8/22/04)
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